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ロラン・オベルトンの講演 移民問題について 


Laurant Aubertone conférence à ville d’Orange
ロラン・オベルトン講演会 オランジュ市 2018/10/11
演題:移民問題

略歴
1984年4月生れ
フランス北部の中心都市リールを拠点に活動する。
リールジャーナリズム専門学校卒業。地方紙の記者として活躍。犯罪をキーワードに移民問題、イスラム問題に切り込む若手ジャーナリスト、作家。

地方紙だったころ犯罪者の8割が移民の背景を持つことに気付き、同時にその事実が役所の手により隠されていることにも疑問を持った。

フリージャーナリストとしてルポルタージュ、近未来SF小説も手がけている。

主な著作
2013年『フランス 機械仕掛けのオレンジ』若者の暴力を扱ったルポ。
2015年『フランス ビッグブラザー』マスコミの左傾化と自由発言の制限を扱ったルポ。
2018年 『立入禁止のフランス』移民問題を扱ったルポ。
2016年『ゲリラ』近未来SF小説
2019年『野蛮人時代』ゲリラの続編

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ロラン・オベルトンの講演会 移民問題とは

テーマの特徴
移民問題は感情的に議論される典型的な主題です。つまり100%反対か100%賛成かと議論が割れて、中間的な妥協論が出てこないといった主題の一つです。更に言うと、よほど注意深く言葉を選んで語りませんと、「我々を侮辱した」と訴えられたりしますのでカフェのテーブルで気楽に談論風発とはいかないタブーじみたテーマになってしまいました。この本の題名を『立入禁止のフランス La France interdite』としたのもそのせいです。

数字
先ず数字を見てみましょう。
フランス人口に対する移民の割合は昔から常に一定だったと人口問題専門家はよく言っています。 しかし街を歩けば出会う人たちの外貌が昔とはかなり違っていることにわれわれは気づいています。 昔からいた外国人移民はイタリアからであったりスペインからであったり、あるいはポーランドからであったりと同じヨーロッパの、人種的にも文化的にも同一のヨーロッパ人が中心でした。 最近の移民で目立つのはサハラ南部とか北アフリカ諸国のように、ヨーロッパ外からの移民が増えていることです。 残念ながら移民の出身国別の統計は発表されていません。差別につながると言う理由からです。 しかし外貌の変化は見ればわかりますので、フランス人の多くは移民が増えすぎたと直感的に感じているわけです。実際 75%のフランス人が移民が増えすぎた、移民を制限すべきだとアンケートに答えています。

移民2世~3世と帰化
数字の上で移民が増えていないように見える理由の1つにフランス国籍の取得があります。 移民当人は一定期間を過ごせばフランス国籍取得が申請できますし、その子供である2世3世には自動的にフランス国籍が与えられます。 現在のフランス国籍保有者の18%は非ヨーロッパ移民の2~3世です。
この事は人口ピラミッドの上でもはっきりと示されています。つまり人口ピラミッドを上に遡れば遡るほど、老人になればなるほど、フランス地元の人間の血が濃くなり、下に来れば来るほど若くなればなるほど、非ヨーロッパ系の血が濃くなります。100 歳を超える老人の中で非ヨーロッパ系の人の割合はゼロです。それに対して新生児の40%が非ヨーロッパ系の両親又は片親から生れています。

大取替(大規模入替え grand remplacement)
作家のルノー・カミュが創り出した用語で、ヨーロッパ人の再生率が現在の人口を維持できない程に下がってしまった結果、 北アフリカ、サハラ以南のアフリカ人アラブ人など出生率の高い民族がヨーロッパに移住してきて ヨーロッパに住む人間の人種が変わってしまうという危機感を表しています。なおヨーロッパ女性の出生率は1.2 – 1.4 と低く、この数字では人口を維持できません。
しかし元来この用語は 減少するヨーロッパの人口を増大するアフリカの人口で置き換えて、ヨーロッパの購買力を維持させようとする国連人口問題機関の作り出した用語でした。国連が多文化主義を推進していることが、グローバリスム陰謀の証拠とされています。

移民の質と性格
どんな移民がフランスにやって来るのでしょうか。移民多数派はチュニジア、アルジェリア、モロッコのいわゆるマグレブ3国出身者です。学歴、資格といった質は問われません。

移民が受入国平均より納税額が多い時、その移民は経済上の貢献者と言えます。逆の場合は負担になります。この意味ではマグレブ移民は全くの負担でしかありません。簡単に言えば 移民とは、就業率が低く犯罪率が高く社会保障費がかかる、こういう人間集団です。
移民一人当たりに必要な経費は、例えば2015年に大量移民を受け入れドイツの場合、450,000ユーロ必要になりました。

治安面からの危うさ
移民の増加は金銭的な問題である以上に社会的な治安面の問題です。 アメリカのハーバード大学の社会学者ロベール・クトナムは社会資本と言う考えで説明しています。 これは社会における相互の信頼性の度合いを表す用語です。つまり社会資本が多いと言う事は相互の信頼性が高いと言うことですが、 社会が同質であればあるほど相互信頼性が高く安全であり、社会が多文化主義であればあるほど社会資本が少ないと言うことになります。 多文化主義はお互いに信頼性がなく犯罪の多い社会を生み出します。

低下する学力
14歳での読解力、計算能力などを国際比較するPISAテストのフランスの成績は近年著しく低下しました。移民子弟を入れない地元フランス人だけの成績であれば学力低下はひどくはありません。フランスの資産の第一はフランス人そのものですから将来も技術立国であるためには移民と学力は避けて通れないテーマでしょう。
IQ(知能指数)は遺伝が8割といわれていますが、この問題を扱うだけで人種差別主義者あつかいされますので触れられませんでした。PISAは成績テストで知能検査ではありません。

寛大な移民担当者
フランスは現在毎年250,000人の合法移民を受け入れていますがその他にも亡命申請者がいます。現在亡命申請100,000件のうち5000件が認められています。 申請者は収容される訳ではありませんので、100,000人のうち60,000人が申請途中で消え失せてしまいます。どこかに潜り込んだわけです。 その他に間接費用として感染症関連衛生費用とテロ対策費用が必要になります。 なぜならばフランスのテロ実行犯のうち33%は移民2~3世だからです。

多文化を推進する「多様性友の会 amis de diversité 」
フランス人の75%が、移民が増えすぎた、制限すべきだと考えているのに、現実の政党や行政機関は移民に甘く、マスメディアも移民がフランスにチャンスをもたらすというような移民サイドに有利な論調が主流です。なぜ一般庶民の多数派意見が反映されないのでしょうか。
マスコミの主流は出世競争を勝ち抜いて社会的ピラミッドを登ってきた人たちですから、足を踏み外して出世階段から転がり落ちるのを何より恐れます。そこで主流派ジャーナリストは差別主義者よばわりされることを恐れて、迫りくる危険を警報するという本来の役割を放棄してしまいます。
高級官僚や政治家が反仏的傾向に陥りやすいのもまったく同じ理由からです。平等優先、自由制限、反差別、人権強調といった今の時代精神 (レール・デュ・タン l’air du temps ) がどの様に作り出されたのか、どの勢力に有利なものかといった問題は、突き詰めると陰謀論者扱いされますので一先ず置いておきます。
こうした移民推進派、多文化主義者を私は「多様性友の会 amis de diversité 」と呼ぶことにしています。移民が増えすぎた制限すべきだと思う人は一般フランス人で75%もいるのに、マスコミ関係者では僅か13%に過ぎません。だから彼らは多様性友の会の会員と呼ばれるのです。
植民地罪悪感、罪の意識に囚われる面もあるでしょう。旧植民地出身外国人への肩入れには多様性友の会の罪滅ぼしの意識が見て取れます。

他の対処法
人口減少に対処する方法はフランス流(EU流) の移民容認政策だけではありません。他の3つの方法を説明します。

(1)頑として移民を受入れない日本流儀
日本の出生率は1.2にすぎません。少子高齢化が進んでいます。OECDが相談を受けたなら、すぐさま女性の労働力投入と外国移民の受入れを勧めるでしょうが、日本は両方共拒んでいます。移民受け入れは治安を破壊し、女性の活用は主人=家内関係を壊す恐れがあります。ついでに言いますと数年前の日本の難民受け入れ数は11人でした。人口一億三千万の豊かな国が11人です。日本の流儀が成功するかどうかは分かりません。日本がしていること、それは世界標準への挑戦です。結果を見守りましょう。

(2)上質移民に限定するオーストラリア流
ヨーロッパ諸国では人間に差別をつけるという理由でしてはならないとされている事、移民の質による選別をオーストラリアは行っています。資格、学力テスト、英語力テストなどばかりでなく、お金を持ってくる移民を優先的に受け入れるという露骨な金持ち優遇策です。
この結果同国は世界唯一、移民収支の黒字を実現しています。

(3)悪評をものともしない人権弾圧国ハンガリー
トルコ、ブルガリヤを抜け、ハンガリー経由で目的地西欧を目指す移民はハンガリーで入国を阻止されます。こうしたハンガリーの冷たい対応のお蔭で西欧諸国は移民難民の急激な増加から守られているのですから本来感謝すべきなのに、人権弾圧などの避難が浴びせられています。ハンガリー流は左傾マスメディアが支配する西欧では実施困難です。

それでは移民の目的は何でしょう。言わずと知れたお金目当てです。月収が100ユーロに満たない国が存在する以上、家族のためにヨーロッパに渡り所得の多少なりともを国の家族に送金するというのは極めて合理的な選択だからです。
今回は移民と宗教の関係、イスラム移民の問題には触れませんでした。また出身国別、宗教別の犯罪率、生活保護受給率、学校成績などの統計は秘密扱いされ一般の目には触れません。正しい判断のためには必要な情報なのに残念です。
(終り)

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