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ティロ・ザラツィンがウクライナ戦争についてプーチンの作り話とヒトラーとの類似点を語る

Hitler und Putin: welche Parallelen gibt es? ヒトラーとプーチン:どんな類似点が有るのか?

ティロ・ザラツィン(Thilo Sarrazin、1945年2月12日 – )
ドイツの政治家。ドイツ連邦銀行の理事会のメンバーを2010年9月30日まで務めた。

著書『Deutschland schafft sich ab』(ドイツは自滅する)の中で、イスラム教徒の移民によりドイツが貧困化すると主張した。同書は発売後3ヶ月で100万部以上のベストセラーとなり、賛否両論を引き起こすとともに一躍ドイツ保守言論界で注目を集めた。

そのザラツィンがウクライナ戦争についてインタビュー(2020/8)で語ったものを纏めてみました。

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ザラツィンがウクライナ戦争についてプーチンとヒトラーの類似点を語る


Hitler und Putin: welche Parallelen gibt es? :どんな類似点が有るのか?

Q:今度の戦争で、ドイツ国内にはプーチンに理解を示すロシア支持派が大勢います。何故でしょう?

TS (Thilo Sarrazin) :そういう人達はドイツ民族とロシア民族を欧州の主導勢力だと思っている。ナポレオン戦争の時はこの二つが同盟して欧州を安定させた。二度の大戦では対立して欧州に損害をもたらした。だから独露協調は必要だと議論しますがこれは18~19世紀のものであり大国主義政治のものです。ウクライナが千年に及ぶ歴史を持つ国であり、自立した国民が形成され伝統も存在しているのが分かっていない。或いは現在ザクセン州やバイエルン州がドイツの一部である様にウクライナと白ロシアはロシア国家の一部であると思われている。ドイツ人主流派の考えの中ではポーランドやチェコは役割が有るのですが、ウクライナは無視されている。2次大戦の結果ウクライナはロシアの所有から独立した訳ですが、東欧の事は東欧人どうしに任せようという論調がドイツにはある。

Q:東欧の事は東欧人どうしの話に任せようという態度がドイツ人精神世界に有るというお話ですが、これだとドイツは責任を持たずに済むわけです。先生は「どちらにも付かないという中立は侵略者を利するだけだ」としてウクライナ支持の立場を表明されていますね。何故普通のドイツ人はかつてのソ連の南西側面に起こっている事態に態度を表明しないのでしょうか?

TS:過去の反省が先ず考えられます。

次いでパンスラヴィスムス(汎スラヴ主義Panslavismus)の影響もあります。これはスラブ世界のことは東方正教会の守護者であるロシア皇帝が取り仕切る。ロシアはそういう特別な使命を担っているという世界観です。

この使命感はモンゴル勢力を駆逐したイヴァン雷帝の時代に始まりその後600年に渡るロシア大膨張を支えてきました。ソ連成立後ロシアがソ連と読み替えられてなお続きました。

1991年のソ連崩壊時には非暴力が重視され現行国境線の大きな変更は無かった、

大部分のロシア人にとってソ連崩壊後の展開は不満足なものでした。離れて行く土地への別れの悲しみもありました。しかし時間が経った今となっては受け入れる他ない。例えば私の母は西プロイセンの出身ですが、故郷は今もポーランド領になったままです。プーチンの異常さはロシア世界を力ずくでも再生しようとすることです。これには限界が無い。スロバキアもポーランドもバルト3国もかつてロシア支配地でした。ですからウクライナ侵攻はNATOへの間接侵略ということになります。

Q:最近出版の先生の著作『理性とその敵』でプーチンの行動を理性に対する攻撃だと非難していますが、NATO拡大への予防戦争だと庇う人もいる。

TS ;ヒトラーがポーランドに攻め込んだ時、ポーランド側からの攻撃に対する反撃だという作り話をでっち上げました。今回のプーチンの作り話とそっくりです。

ロシア世界の盟主の地位を取り戻そうとする意図の他にウクライナ領となってしまった工業地帯や穀倉地帯を取り戻そうとする現実面の利害も有ったでしょう。

Q : 武器引き渡しに反対したり、ウクライナ政府に降伏を勧めたりするインテリがドイツには大勢います。ダボス会議の参加者がそうでした。インテリといえば頭脳明晰な筈です。それがロシア・ファシスト政権への降伏を勧告するなんて…….

TS:長期的に見るか短期の利益で見るかによるのでしょう。例えば1993年に英国とフランスがドイツに侵略されたポーランドからの救援要請に応じなかったら、その後の展開はどうなっていたでしょう?

侵略者ドイツに対して「占領地ポーランドの国民を人道的に取り扱う様に要請はするが救援に一兵も送らない。かくして西部戦線に兵力を分散する必要がなくなったヒトラーのソ連侵攻が成功しソ連は崩壊していたでしょう。その後の歴史は現在のものとはまるで異なってしまうでしょう。そうならなかったのは英国が犠牲を厭わず原理原則を守り切ったからです。

私の子供や孫たちが住む世界は自由と民主主義が守られるものであって欲しい、それで私はプーチンに反対するわけです。

Q:Narativ (作り話)について。

TS:ここにもプーチンとヒトラーが似ている点が見て取れます。ヒトラーがポーランドへ侵攻したのはベルサイユ体制成立後20年が経ってからでした。今度のプーチン侵攻はソ連崩壊後30年経ってからです。世界に対する言い訳も両方とも似ていて、相手が戦争を仕掛けようとしているので予防的に先手を打ったと弁明しています。

戦争相手を悪しざまに罵るのも同じで、有ろうことかロシアはウクライナ指導部をファシストと罵っています。ゼレンスキー大統領がユダヤ系なのが分かっているのにです。

(終わり)

ティロ・ザラツィンの講演 自著「敵対的買収」について
Thilo Sarrazin: Feindliche Übernahme ティロ・ザラツィン氏の自著<feindliche Übernahme>『敵対的買収』説明講演会 2011年  於 Bibliothek des Konservatis...
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