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エーバーハルト・ザントシュナイダーの呑気なシナ観は裏切られる

Eberhard Sandschneider | Go oder Schach? – China und der Westen (NZZ Standpunkte 2019)

エーバーハルト・ザントシュナイダー氏インタビュー : 囲碁かチェスか? ‐

エーバーハルト・ザントシュナイダーは政治学者で中国専門家。
『グローバル・ライバル:中国の不気味な台頭と西洋の無力』の著書がある。

インタビューはシナに逆風の吹く前、コロナ騒ぎの始まる前です。西欧人が呑気にシナ相手に構えていられた時代の気分が漂っています。

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エーバーハルト・ザントシュナイダーがシナと西欧 について語る

NZZ:4億の人口を絶対的な窮乏状態から救い上げたことは中国共産党の大きな業績であると思いますが、どうでしょう?
ES:今迄と同一のテンポで発展が今後も続くことはもはやないでしょう。 しかし8%は無理だとしても6%台は維持できるのでないでしょうか。
成長が維持できない理由の一番目は、経済を最低の基準から引き上げるのは比較的やさしいのです。これに対しある程度の基準に達したものをさらに押し上げるのは難しい。共産党が経済目標を成長から安定に変更した事も一つの理由です。急速な発展の結果望ましくない副作用が増大しました。所得格差の拡大、環境汚染、住宅、衛生、労働市場など山積しています。
ヨーロッパと同じ面積に14億の人口を抱えている。出世したがっている、良い暮らしを目指している14億です。安定の中心には軍隊の存在があります。

NZZ:かつて明王朝の頃は世界最大のGDPを持っていたそうですが、共産党の野心はその状態を回復したいということなのですか?
ES:党の成長は19世紀半ばからの辱められた歴史への反応でした。アヘン戦争、義和団の乱、日清戦争での敗北、これらで中国はメンツを失ったという意識は共産党党員であるか否かに関わらず共通のものです。
明朝の時代は、火薬、製紙、航海術などでシナは世界をリードしていました。シナには4万人の海軍が有りました。これを廃止して予算を万里の長城の修復、新造に振り向けた。このことからもシナ人に征服膨張志向が無いことが分かりますね。コロンブスがアメリカ遠征をした時代です。

NZZ:生活水準の向上とともに自由社会への憧れが増すという見方もありました。
ES:それは西欧モデルです。シナ人は違っていました。その点私も予想を誤っていた。デジタル革命により情報入手が容易になります。情報独占の上に存在した共産党優位性はしかし崩れませんでした。逆にデジタル革命を利用して人民のビッグデータを収集し党支配に使っています。
赤ん坊の時代から家族一緒の部屋で寝起きするシナ人の場合はプライバシーや個人の自由に大きな価値を置いていないのでしょう。管理社会への反発も少ない訳です。
共産主義かどうかに関わらずシナ社会は権威主義的です。この権威主義と安定への強い志向がシナを支えています。

昔から地政学上のハートランドとはロシアを指していましたが、現在ではこれが支那を指すように変わっています。
シナの野心とは世界政治のあらゆる事柄に口を挟む権利を獲得することです。ですから厳密な意味ではシナは帝国主義の国ではありません。グローバルな野心は持っていません。 グローバルな事柄に対し企みは持っていませんしその実力もありません。要するに非常にプラグマチックな国柄なのです。
(後略・終わり)

 

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