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「なぜ西欧は世界を支配するのか」についてジュリアン・ロシュディーが本音を語る

ジュリアン・ロシュディー Julien Rochedy 1988年生れ

フランスの作家、作家、政治コメンテーターです。彼は若い世代に対して保守的な考え方を促進しようとしており、国民戦線(現在の国民連合)の一員としても知られています。

彼はフランスの政治や社会に関する著作を多く執筆しており、特に若い世代に向けた啓蒙的な内容が含まれています。

著作には、『移民と国家』や『フランスにおけるイスラム教』などがあります。

 

彼は西欧の優位性を主張しています。頷ける面もありますが、実はその勢力低下にあせっている様子が見て取れ、あまり西欧知識人が口に出さない本音が聞けます。
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ジュリアン・ロシュディーが西欧の優位性を語る

なぜ西欧は世界を支配するのか?
非ヨーロッパでありながら勃興しつつある国が目下多数あるにも関わらず、シナなどが好例だが、西欧の世界支配の実態に変化は見られない。西欧は昔も今も世界を支配し続けるだろう。
西欧への富の集中、それこそが軍事政治面の西欧一極支配を支えて来たものなのだが、それはどこから来たのか。
ここで言っておきたいことがある。富の集中が帝国主義・植民地主義の結果ではない点だ。レーニン以降左翼的解説ではそうなっており、現在でもフランスの左派はこの見解をとっているが、これは間違いだ。後進国の政権担当者や学者は自分の無能や怠慢を隠すのに便利な、犯罪国家西欧という結論に行き着ける西欧責任論を使用したがるが、これは自分の失敗の責任を他人に押し付けるのが目的の嘘だ。我々の富も強さも他人の土地に押し込み財宝をぶんだくり、強姦を続けた悪業の結果だという話は大嘘だ。
帝国主義・植民地主義が富を西欧にもたらしたのではなく、富の集中の結果が帝国主義をもたらしたのだ。
西欧の定義についてはフィリップ・レモの小冊子『西欧とは何か  Qu’est ce que l’Occident?』に準拠したい。
精神の発展、ギリシャ・ローマ哲学、ローマ法、キリスト教とりわけトマス・アキナスの理性的カトリック解釈こうしたもの全てが消化され一体となったものが「西欧」なのだ。肌の色になど身体的特徴では無い。白人であることは絶対条件ではない。例えばロシアは白人ではあるがヨーロッパではない。自由という思想的背景を取り込めなかったからだ。私が問題にしているのは物質面であり世界中の全ての諸文明の価値は等しい。
西欧の世界支配。西欧それ自体は5%の人口しかないのに世界人口の60%を支配している。
非西欧諸国のうち日本だけが貧困を免れているが、それは西欧諸国の政治・経済・司法などの制度を模倣できたからだ。ソ連邦を初めとする共産諸国の制度も西欧を模倣したものだった。いや模倣に失敗して病的状態になっていたが。
戦争もそうだ。我々西欧は非西欧と戦って敗れたことはない。ベトナム戦争など戦闘で敗北しても非西欧国家に軍事占領されたことはない。我々が押されている様に見えたとしても、それは我々がその科学技術を教えたからである。打ち負かした敵の戦後処理もローマ人と西欧人は似ている。原爆などの隔絶した技術格差を利用して皆殺しにするなど非人道的な手段に訴えたことは無かった。
但し私がここで述べている西欧の卓越性というのは物質面に限られた話で、哲学や芸術や趣味といった精神活動は除外する。土着民の制作した土器に美を見出すことはあり得ることだから。
競争相手を打ち負かし、将来に渡っても我々の地位を保証する我々のこの優越性はどこから来たのだろうか?掠奪や強姦が富をもたらした訳ではないのは明白だ。
西欧は15世紀以来世界を経済、政治、軍事など様々の局面で数字で示せる客観的分野に限って言えば世界を仕切っている。15世紀以前にさかのぼれば非西欧の優位が明瞭だ。シナは経済、建築、科学で西欧を超えているし、オスマン帝国はダマスカスやバクダッドを立派に再建していた。
15世紀が転換点
15世紀はペストが最後に西欧で暴威を振るった世紀でもあった。人口の多かった世界10都市を見ると、西欧勢力が頂点を極めた19世紀半ばには、非西欧圏の都市でのトップテン入りは東京だけになってしまった。これは日本が工業化を始めて西欧型の文明をコピーしたせいに他ならない(注:ここで鼻をフフンと鳴らして軽く嘲笑う)。
西欧社会の特色を時間軸に沿って並べてみたい。
(1)強いエネルギー
先ず第一に西欧の母胎となったインドヨーロッパ語族に見られる特徴として強いエネルギーを挙げたい。移動手段としての馬の飼育に成功した彼らは他の語族より移動拡散のスピードが速かった。ここにインドヨーロッパ種族に内在する活力、エネルギーを見ることができる。
(注:ナチスはゲルマン民族の遺伝的優越性として他を圧倒する民族のエネルギー・活力を挙げていますが、ロシュディーの議論もそれを思わせます。)
(2)競争社会であること
競争は各分野に及び、その最も激烈な形は戦争であった。戦争は社会の平常状態として社会運営に組み込まれており、社会そのものが喧嘩っ早く好戦的だったと言える。コルテスは数百人の兵士で100万以上の兵力を持つアステカ軍を打ち破った。戦争技術の欧州での発達も瞠目に値する。世界的に大戦闘が起こった場所を地図上で見ると殆どが欧州に於いてだ。
但し、戦争の相手は他の西欧国家であり、いわば内ゲバだったと言える。また戦さ慣れしているので、西欧は決して残虐ではない。無慈悲と言われるローマ帝国軍団とアステカの冷酷ぶりを比べると、ローマ人の方が人間的で寛大だったと言えよう。
軍事方面以外でもこの独立主体間の競争は多方面で習慣となった。例えば明代シナには精巧でかつ全国に知られた7台の時計が有ったが皇帝の命令で全て破壊され、それ以降シナ時計産業が世界を主導することはなかった。
他方欧州の各都市では時計競争が起こった。各都市の市役所の正面は精巧優美な時計で競う様に飾られ、これは今に続く伝統となっている。
(3)主権国家平等の原則
西欧は中小独立主権国家の連合体でありシナやオスマントルコがそうであった「~帝国」の国家形態は好まれなかった。15世期の世界は東のシナから西のオスマントルコまで帝国だらけであり、帝国でないのは西欧だけだった。このことをとっても西欧が帝国主義の本家ではないことが理解されるであろう。ヨーロッパ帝国を夢想した政治家はハプスブルク家君主で神聖ローマ帝国皇帝かつスペイン王でもあったフランドル大公シャルル・キャンCharles Quintまたはカール5世(生没:1500年ー1558年)が有名だが、以降はナポレオンとヒトラーだけであった。
(4)独立自尊の精神
シナの貴族は試験合格の役人だった。一方ヨーロッパでは独立封建領主が国家運営を担った。彼ら貴族は領内運営の自主権を持った土地所有者であり、互いに同盟・対立を繰り返す平等の資格保持者であった。シナの役人貴族と違い子弟教育についても例えば英国のパブリックスクール教育方針はスポーツとか想像力涵養が中心であるのに対し、フランスは教科書暗記が中心だった。この差が18世紀の両国の国力の差につながっていった。
(5)土地所有、所有権の意識
北アメリカは何故南アメリカより豊かで強力なのか。南米は土地が少数の家族に所有されている。北米は土地所有者の数が多い。1900年の段階で北米の小土地所有者は75%。他方ボリビアでは土地は1.5%の家族の独占的所有物だった。
所有の寡占化は自由競争の欠如を招く。西欧の封建性は土地所有者数を増やし社会に活力をもたらす方向性を持っていた。
(6) 宗教、神秘と論理・科学的思考との結合
元来が神秘的な宗教さえをも論理で説明しようとする。西洋の特徴として社会にみなぎる強い好奇心があげられる。これが水平方向に働けば探検や征服欲になり、16~19世紀のポルトガルからの命がけの出航として具体化される。また垂直方向に働けばこれも命がけの宗教戦争につながるだろうし、平和理には印刷術発展による図書出版点数の爆発的増加に向かう。
非西欧文明は発展に限界がある。シナの場合やアラブ社会の場合は宗教が発展の邪魔をした。アリストテレスの論理ではコーランが解説できない。護教に役立たないので一旦受け入れられたギリシャ古典哲学はアラブ社会で衰退へと向った。西欧にもサヴォナローラに見られる様に宗教的不寛容の実例は多いがイスラム圏ほど苛烈ではなかった。
印刷術と出版を例に取れば、これを発明したシナでは皇帝の禁令の結果衰退し、殆ど発展が無かったのに比べ、西欧ではグーテンベルクの生前においてさえ数百の印刷所が欧州各地で既に運営され社会に刺激を与えていた。
この様に西欧以外の文明では、宗教的、政治的、国民性的な或る一線が越えられず、王朝の荒廃と運命を共にするのが常だった。
(7) 唯一の開かれた文明である
非西欧圏の個人であれ国家であれ西欧システムをコピーすれば西欧文明に参入できる。
非西欧圏はこの様にして三権分立など多方面で西欧文明に参加できるが、西欧の生み出した制度をコピーしている限り西欧の開発者としての優越性は維持される。
西欧がアフリカに価値を与えた例としてニジェールのウラン鉱石について触れておこう。左翼は鉱石が奪われたと非難するが、西欧科学技術に触れる以前の鉱石は無価値であった。価値を与えたのは西欧文明であり、この事情はアラブ諸国が石油という宝の山の上で何世紀も昼寝をしていたのと同じだ。
価値を奪ったのではなく、価値を作り出したのが西欧だ。西欧諸国民は植民地主義者だの、人種差別主義者だのと左翼や非西欧諸国民から非難されまくっている。しかしこの点で自己批判や自己卑下をしたりする必要は全くない。人類史上最高の文明を生み出した西欧が世界を主導するのは正当な事なのだ。
(終わり)
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コメント

  1. shinoshi より:

    グループ-FY様
    shinoshiです。

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