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エリック・ゼムールが大統領選出馬を表明_フランスを取り戻す!


Éric Zemmour : « Je suis candidat à l’élection présidentielle »

エリック・ゼムールの大統領選出馬表明演説

政治評論家、ジャーナリスト、右翼ポレミストとして毀誉褒貶にさらされているエリック・ゼムールが11月21日にとうとう2022年仏大統領選挙への立候補を表明しました。ネット動画で国民に呼びかける形式です。支持者は「感動的な名調子だ」と感嘆し、左翼アカデミスム側からは「時代錯誤めいたお涙頂戴」と酷評されています。知識人政治家の伝統を持つ、いかにもフランスらしい政治家=文学者=歴史家の久々の登場という印象を受けました。エコールノルマル(高等師範学校)卒業生で文学に造詣が深く、ドゴール将軍の跡を継いだジョルジュ・ポンピドゥー以来かも知れません。
予算編成とか年金支給年齢の繰り上げとかいう日常生活の話題を超越して、彼はフランスの栄光の歴史と偉人たちの名前を呼び覚まします。この選挙が日々の暮らしを跳び越えた、フランス文明の存続可能性が問われている歴史的な出来事である点が一般庶民に理解されるかどうかは不明ですが、なかなか今の時代の日本やアメリカの政治家にはできない語り口でした。演説のゆっくりした口調や背景などもドゴール将軍を意識したものだと言われています。なおBGMはベートーベンの7番交響曲第二楽章。葬送行進曲とも言える重々しい曲想のものです。

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エリック・ゼムールの大統領選出馬表明演説

親愛なるフランス人同胞の皆様、
この数年の間に心に忍び込む寂しい気持ちにしばしば襲われたことはありませんか?この感情は喪失感なのです。郊外を歩けばもはや見慣れた町の佇まいは無く、見覚えのない外国の街に迷い込んだ気持ちになります。住民は理解不能な言葉を話し、TVを見ても映画を見てもサッカーの試合を見てもフランスがどこかへ消えてしまったかの様な印象です。学校へ行っても地下鉄に乗っても空港へ行っても、区役所やハローワーク窓口の長い行列に並んだときにも、ここが自分の生まれ育った国ではない様な気持ちに不意に襲われます。皆さんが子供時代を送った懐かしい国、今や本や映画にしか出てこない、無くなってしまった国。
そうです、それはジャンヌダルクとルイ4世の国であり、ボナパルトとドゴール将軍の国であり、ヴィクトルユーゴーとシャトーブリアンの国であり、ラフォンテーヌ寓話とモリエールやラシーヌの国であり、パリのノートルダム寺院と田舎の教会の国であり、ガヴロシュとコゼットの国であり、バリケードとベルサイユ宮殿の国であり、パスツールとラボワジェの国であり、クレマンソーと第一次大戦出征髭もじゃ兵士の国であり、ジャンギャバンの国であり、アラン・ドロンとブリジット・バルドーの国であり、ベルモンドやジョニーの国であり、ブラッサンスとバルバラの国であり、アズナブールのシャンソンやアンリ・ベルヌイユ監督の映画作品の国であります。軽みがあって輝かしい国、文学的で科学的な国、コンコルドや原発の国、映画や自動車を発明した国であります。
その懐かしい国が今や消えようとしている。皆さんが引越をするわけではない。この国が皆さんから去ってゆこうとしている。国内にいながら外国へ行ったかのような気がしたことはありませんか?
長い間この奇妙な気持ちを口に出すことにはためらいがありました。私たちは目に見えているものを見ようとはしませんでした。でも今や家族の中で、職場の同僚の間でタブー扱いされてきたこの事を口にしてみたおかげで、家族の皆が、仕事仲間が自分と同じ感情を抱いていることを知ったのです。「フランスはもうフランスではなくなってしまった……」この気持ちです。勿論この気持ちを表に出せば皆さんは非難を受けることになります。ジャーナリストや政治家は皆さんを非難するでしょうし、知識人からもエリートからも、労組幹部からも宗教者からも差別主義者だ、自由の敵だとして非難されるでしょう。しかし今や分かったのです。フランスを衰退させたのはあの連中なのだという事が。
勿論フランス衰退の原因が、悪化させたのは事実としても、移民だけにあるわけではありません。貧困化問題は大きなテーマです。有能な企業経営者や起業家がフランスを離れようとしています。働き口が少なくなろうとしています。その原因はと言えばブリュッセルに巣くうEU高級官僚がフランスの社会経済政策に口を出してくる、この構造にあります。ヨーロッパなどという幻想は捨てましょう。EUに譲り渡してしまった経済主権を取り戻しましょう。
皆さんは私が何者であるかは既に御存知です。長い間ジャーナリストとして論争家としてフランスのためになる自分にできる仕事をしてきました。祖先から受け継いだこの国をそのままの姿で後輩たちに引き継ぐのが使命だと思ってきました。しかし私は決断しました。フランスは改革ではもう間に合わない。時間が無いのです。改革するのではなく、今やフランスを救わねばならない。我々の生活スタイルを、文学上の趣味を、グルメの伝統を、科学技術や工業を子供たちに渡し残さねばならない。フランス人であることに誇りを持つ人間を育てねばならない。
フランスは偉大な国でありフランス人は偉大な国民です。フランスは常に、どんなものに対しても勝利をおさめてきました。我々は受け継いだ松明の引き継ぎを続けます。
そのために私は立ち上がりました。私を助けよ!身を起こし立ち上がれ!共和国万歳!何よりもフランス万歳!
(終わり)

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