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エリック・ゼムールがフランスの外交目的と軍備について語る

Zemmour en conférence à Rouen
エリック・ゼムール支持者集会  於ルーアン

今回はゼムールも拡張主義と言うか、あぶない発言連発です。ナポレオンがうまくやっていればケルンはフランスのものだった、など物議をかもしかねません。そのうちCIAに狙われる怖れもありますね。

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エリック・ゼムールがルーアンで仏外交の目的と軍備について語る

ルーアンとノルマンディー ( * ルーアンはパリ北方のノルマンディー地方の中核都市)
ルーアンは美しい都市です。とりわけ中世の雰囲気を伝えて素晴らしく、「最も美しい中世都市だ」とスタンダールは言っています。
ルーアンといえば二つの事柄が思い浮かびます。第一は当然ですがジャンヌダルク処刑の地として。忘れていけないのは当時仏貴族の半分が英国派だった事です。フランスを超えて広がる大きな理念のためなら、祖国フランスを裏切るのが今に続くフランス・エリートの伝統です。
第二に連合軍のノルマンディー上陸作戦。これはフランス解放を表の目的とはしていましたが、フランスを米国の属国にするという裏の目的の存在も忘れてはいけません。毎年6月6日に上陸記念式典が開かれますが、ドゴールは一度も出席していません。ドゴールは上陸作戦立案に際し米英から何の相談も受けず、ツンボ桟敷に置かれていました。

国際都市ルーアン
中世の出来事以上に忘れられないのがルーアンの国際性です。17世紀には騎士ラサールが正確な地図作成情報を求めて北米ルイジアナに向けて船出したのはルーアン港からでした。同時期に国王の娘がケベックへ船出しています。遡って9世紀のルーアンは、バイキングの拠点として遠くコンスタンチノープルと活発な交易を行っていました。今日はルーアンの国際性にちなみ、フランスの外交について話をします。

フランスは安定した中位の大国という地位に満足すべきか?
強大な軍事力の基礎は人口です。ナポレオン当時のフランス人口はヨーロッパの20%でした。だから人海戦術が可能だった訳です。今はわずかに1%。これでは軍事強国にはなれません。しかし中位の大国に留まり安定した地位を保とうとするエリートにとっては、かえって都合が良いのです。ですが国力とは上へ登るか下へ落ちるかの二つに一つで、安定など存在しない。他国に言う事を聞かせるか、他国の言う事を聞くかの二つに一つですから、アメリカの指示に従うのが嫌なら、フランスは強くあらねばなりません。

強国フランスは可能か
我々は強く豊かなこのフランスを父祖から受け継ぎました。これを子孫に伝えるのが我々の義務です。IT時代ですから人口が少なくても分野ごとに強い国になれます。台湾や韓国やシンガポールが良いお手本です。

ヨーロッパはフランスには小さすぎる
EU外交という幻想は加盟各国の国柄、地理、歴史、興味、国益、を無視した幻想でしかありません。例えばクロアチアやアイルランドとフランスの利害は違います。これを共通外交でくくるのは無理です。
マクロンはEUという小さな舞台で満足しきっていますがフランスは文明の質のみならず歴史的にも地理的にも世界を相手に単独で外交を展開してきました。歴史でいえば、例えば17世紀にシュヴァリエ・ラサールは地図作成のためこのルーアンから出帆しました。ルイ14世の時代にはアメリカ開拓に向けて英国と競っていました。
地理でいえばフランスはニューカレドニアを保有している結果、海洋権益面積世界第2位の海洋大国です。
その他にも我々は核武装をしています。更に国連常任理事国でもあります。フランスが世界大国である条件は既にここに有るのです。
この様にフランスには世界中の出来事に嘴を突っ込む力量があり、ヨーロッパは舞台として狭すぎます。

不安定な世界
旧帝国の復活しようとする動きにつれて、世界はますます不安定になってきました。支那、ロシア、オスマン帝国が恨みの感情を抱いて西欧文明とぶつかっています。例えば産業分野総てでぶつかる支那の危険性。ニューカレドニア独立運動を煽り立てて南太平洋権益を狙っているのはよく知られた事実です。アフリカでの我が国との角逐も無視できません。
その上、ああ又してもドイツ、ドイツを気にせずにはいられない時代がまたやって来ました。ナポレオンが上手にとり扱っていればライン川沿いのケルンやデュッセルドルフは今頃フランスの一部でしたでしょう。
アフリカについては問題は人口抑制に尽きます。

外交の目的
フランスの利益を外国で勝ち取りこれを維持する。仏外交の目的はこれに尽きます。そのためには軍事力が不可欠であって、強大な軍事力を保有しなければなりません。外交の目的は左翼リベラルの言うようなモラルの守護ではない。道徳理想や全人類の利益、これらは目的ではありません。

最近アルジェリアの駐仏大使が同国民に向けて「フランスに帰化し、社会に同化し、影響力拡大に努めるように」というメッセージを発しました。これではフランス国内にアルジェリアの第5列を抱え込んでいるようなもので、外交が内政(治安)と直結する時代になりました。

軍備拡張の必要性
ビスマルクは言っています。「軍事力無しの外交は楽器の無い音楽みたいなものだ」と。
世界に向かって勢力を維持するには海軍の強化、とりわけ空母建艦が必須です。現有の2隻を超えて空母を保持しなければなりません。兵器一般の自主開発も必要です。新式戦車やジェット戦闘機についてはしかしドイツとの共同開発はいけません。あるいは開発は良しとしても産業スパイはいけません。小口径銃砲の弾薬を増産し備蓄量を増やしておくことも、万一の国内事態に備えて必要になります。
(終わり)

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